前回、オガライ炭なるオガクズのリサイクル炭を購入したので、早速薪ストーブで燃やしてみたいと思います。
で、なんで薪じゃなくて炭なのよ?
という声が聞こえてきそうですが、これ実は自分が前から試したかったことがあって。
今回はそこも踏まえてやってみたいと思います。
■まずはオガライ炭のレビュー
・まぁ何はなくとも燃やしてみましょう。
前回の記事で紹介した商品説明では「熾火で着火」と記載されていますので、こんな業火ではいけません。炎が豪快でカッコイイですけどね。
炎もおさまり、熾火がたまりました。炉内の温度も十分に上がっています。
オガライ炭を2本ばかり放り込みます。エアーは全開。
放っておいたら10分ほどで着火しました。下面が赤くなっています。
・着火のしやすさ
上記の通りで、放置しておいても問題なく着火しました。
ただ、通常の木炭と比較するとやや着火は遅いようです。これは備長炭が着火しにくいのと同じで、より高密度に成型されているためと思われます。
・火力
強いです。体感的には入れてから更に炉内温度が上がった感じがします。せっかく放射温度計があるのできちんと比較してデータを取ればいいのですけど、忘れました。笑
ただ、ガラスを通じてどちらが熱気を感じるかと言えば「薪」の炎の方が感じます。
・煙、臭い
使ってみた限りでは全くの無煙、無臭でした。これは本当に「炭」のメリットですね。万が一、煙が出るような炭でも炉内がこれだけ高温になっているので恐らく二次燃焼によって結局は無臭にはなると思います。
・持続力
箱には2時間と書かれていますが、薪ストーブの場合、密閉した箱の中で燃焼させるため無駄がないのか実際2時間以上もちました。
※これについては以下に書きます。
・オガライ炭まとめ
今までBBQなどでマングローブ木炭、備長炭などを使ってきた体験との比較では
というところが感想です。
■薪ストーブで炭を燃やす狙い
薪ストーブを使い始めていろいろ気づくことがあります。また、いろいろと実践していくなかで「こうだったらいいな」と思うことも多々あります。
その一つである、
- ピザをはじめ炉内調理をしようと熾火をためたが、最後まで火力がもたなかった。
- 夜がっつり焚いたのに、朝すべて灰になっていて熾火は残らなかった。
これらに対して「炭を補助的に使えば解決するんじゃないか」と考えました。
・薪ストーブの燃焼時間および炉内温度の時系的変化
簡単に図式してみましたが、ざっくりこんな感じです。(鋳物製薪ストーブ)
こんな温度変化によって最終的には鎮火していくわけです。
・長時間運転の場合
今回のメインはここです。例えばですが、
「夜、寝る前にストーブを焚いていたが、朝完全に鎮火していて再度焚き付けから行わないといけなかった」「ちょっと外出している間に鎮火してしまった」パターン。
この場合、もう一度焚き付けから行わないといけない。(今更ですがストーブの性能、薪の品質、空気の絞り方など、ケースによって話は変わりますよ!と一応お断りを。)
面倒です。
・炉内の保温目的で炭を利用する
ということで、炭を使うことでその温度低下曲線を緩やかにできないか?ということを考えました。
言い換えれば、「朝まで熾火を残したい」とも言い換えられるかもしれません。
炉内調理においても「高温状態を長く維持するため」やはり保温を目的に使えないか?ということを考えています。
■実際にやってみた
まさしく上記の画像でオガライ炭を使った夜。朝まで火がもつか実験してみました。
いつも通りエアーは全開。朝7時に起床。
つまり約7時間。
いつもなら絶対に熾火なんて残ってません。全てサラサラの灰、本体は冷たく冷えている。これが通常の姿ですが…。
残ってる!!灰をかき分けると出てくると出てくる小さい赤いのが。
いやー、朝まで熾火が残りましたね。感動ものです。本体も冷めてはいるものの、触るとまだほのかにあったかいです。
結局、その熾火を一次吸気口の付近に寄せ、その上に一掴みの焚き付け材を乗せたところ程なく火が上がりました。
やはり熾火が残っていると再着火がラクな気がします。
また、上記目的で炭を補助的に使うことの有効性も(本当はもっとちゃんとデータを取るべきですが)自分としてはなんとなく示唆されました。
■大事な注意点
責任としてこれに触れないわけにはいきません。
薪ストーブで炭を燃やす場合、一番気をつけるべきは一酸化炭素中毒。
昨今、高気密高断熱住宅が当然の世の中ですのでこれだけは気を付けてください。
・個人的にとっている対応としては、
- 炭の投入は、あくまで炉内が十分に温まって煙突のドラフトが効いていることが最低条件(煙突のドラフトがしっかり効いていればちゃんと上昇気流で外に排気してくれる)。
- また、部屋は完全に締め切らないようにする。うちはストーブ横の壁に換気用のガラリを付けてあるので必ずそれを半開くらいに開けるようにしています。
- 給気はしぼらない。不完全燃焼によって一酸化炭素が発生する原因になる。
ですかね。あとは報知器の設置など、備えあれば憂いなしで。
■他ブログでの言及
薪ストーブブログではトップランナーの一人、かわはらさんの 過去記事においても炭の利用については言及がありますので紹介しておきます。
■本日のまとめ
- オガライ炭はどちらかというと備長炭に近い
- コスパも良い
- 火力および保温持続性の観点では、薪ストーブで補助的に炭を使う有効性が有りそう(特に本体自体の蓄熱性が低い鋼板製ストーブでは良いのではないか)
- 一酸化炭素中毒への配慮は必要。特に煙突のドラフト(排気性能)が十分に機能する環境で使用したい。
(また、こんな娯楽性のない記事書いちゃったよ…。反省して次回こそは皆様に気楽に楽しんでいただけるものを!)