これ、理屈としては非常に簡単、今更拙ブログで解説するまでもない話題なのでちょっと恥ずかしいのですが、でもガヤさんみたいな無頓着さんは今まで全く気にせず生きてきました。
「そう、薪ストーブを導入するまでは。」
今回はそんなお話です。ちょっとマニアックな話題かも知れませんがご容赦ください。
■鍋をどうやって選ぶ?
みなさん鍋買ったことありますよね??
答え① 「え、ない!?」
⇒ お帰りはこちら…
答え②「ありますか?ええ、そうですか!」
⇒ よかったー、ガヤさん嬉しいです。がんばって最後まで読んでネ
あ、いやすいません。ブラウザ閉じないで!!
真面目にやりますんでーーー
気を取り直して。
鍋を買う際にどんな選考ポイントがあるでしょうか。
- デザイン
- 大きさ(容量)
- 形(フライパンとか片手鍋とかやかんとか、つまり用途)
- 機能性(テフロン加工とか圧力仕様などの付加機能)
- 保温性
- 素材(鋳鉄はガヤさんも大好きです)
- 価格
挙げるとけっこうありますね。でも概ねこんなところでしょうか??
ということで皆様、熱伝導です。
これで選ぶ方いらっしゃるでしょうか…?
■熱伝導とは
一番簡単に言うと「どれだけ熱を通しやすいか」ということ。
もうちょっと正確に言うと「物質によって熱の伝わる速さが違う」ということですね。
ちょっと例え話をしますと、
木材と鉄
これらを触った場合にひんやり冷たく感じるのはどっち???
もちろん鉄ですよね。
これは木よりも鉄の方が手の体温を素早く吸収し移動させるため冷たく感じるのです。
これがすなわち熱伝導率の違いです。
■鍋を熱伝導率で選ぶ
ということで熱を素早く伝える性能がすなわち熱伝導率に現れているわけです。
では、これを鍋の話にあてはめるとどうなるか。
「熱源の熱を効率的=素早く素材に届ける」
体感的には熱源の熱を損失することなく、無駄なく熱を活用する。
語弊もありますが、そんな捉え方もできるでしょう。
・どんなメリットがあるか?
①例えばやかんでお湯を沸かす。
⇒ 熱伝導の良い素材の方が早くお湯が沸く。麺を茹でるときなども威力を発揮します。
②例えば煮込み料理。
⇒ 熱が素早く鍋全体に回るので食材が均等に煮える。
(逆に熱伝導率の悪い鍋だと鍋底ばかりが熱くて鍋の中で加熱ムラが発生する)
そんなメリットがあるわけですね。
■熱伝導率の良い鍋はこれだ!!
ランキング形式でお届けしましょう。
じゃじゃーん。
それでは第5位の発表です!
「土鍋!」熱伝導率 1 (W/MK)
他の鍋を圧倒する恐るべき熱伝導率の低さです…。
ただし(今回は話の趣旨が違うので触れませんが)保温性や遠赤外線効果という点では非常に優秀な鍋ですので、なくてはならない鍋には違いありません。
続いて第4位!!
「ステンレス鍋」 熱伝導率 15 (W/MK)
ここで恐らご家庭で最もメジャーな鍋の一つが登場です。
そして4位でありながら5位の土鍋と15倍程度差が…。
その名の通り錆びない、メンテナンスの簡便さという素晴らしい使い勝手、コストの良さを考えたら家庭にはなくてはならない鍋かと思います。
(これもお馴染みのビジュアル。)
どんどん行くよ、第3位!!
「鉄鍋」熱伝導率 80(W/MK)
4位のステンレス鍋からまた一気に差が開きましたが、ここで鉄鍋の登場です。
いわゆる鉄製のフライパンやスキレット、ダッチオーブンもこの類ですね。
油の馴染みも良く、高熱にも強く、愛好者の多い素材です。
(中華鍋なんてモロですね。質実剛健とはまさにこのこと)
そしていよいよ第2位!!
「アルミ鍋」熱伝導率 237(W/MK)
また数字が跳ね上がりましたね。
アルミ鍋は非常に熱伝導率が高く、コストも安いのでラーメン店の寸胴などにも使われています。アルミは軽いので、鍋にした時も取り回しが楽という利点もありますね。
ついに第1位の発表です!!
「銅鍋」熱伝導率 401(W/MK)
5位の土鍋や4位のステンレス鍋と比べたこの数値の差!マーヴェラス!
恐るべき熱伝導率の高さです。
当然、他の鍋よりも圧倒的にお湯は沸きやすく、煮物も均等に火が入る。
実際、その性能からプロの現場では非常に重宝されています。例えばおでん屋さんの鍋は必ずと言っていいほど銅ですし、天ぷら屋さんでも銅鍋を使用しているところは多いように思います。
一方、デメリットとしては多少高価だという点と、pH面での耐久性が低く酸やアルカリによって変色したり腐食しやすい点、IHでは使えない点があるようです。
ということで、熱伝導だけで見ると銅鍋最高!という結果でした。
(いや、美しさも特筆モノですけどね。キラキラだけど品があるよね。たまらん。)
■薪ストーブの熱を「最大限」「効率的に」活用する
さて。ということでここでようやく薪ストーブ登場です。
何度も何度も書いていますが、ガヤさんの薪ストーブはドブレ640。
本当に名機で、非常にユーザー数も多いのですが多くの人が挙げる弱点が「天板の温度」なのです。
ストーブ上部の構造が二重構造になっているため、天板の温度が上がりにくく、それによって天板での調理性がイマイチというのが世間の評価です。
まぁ、実際は200~250度程度にはなるので多少時間は掛かりますがお湯も沸きますし、餅も焼けますけどね。
そして「何も高温にするだけが調理ではない」ということで「程良い温度帯が長続きする」特性を活かしたオイル煮なども紹介してきたとろです。
なーんてね。
まぁ、そういうことではあるのですが…
どんな悔し紛れを言ったところで、やはり根本的に「天板の温度を無駄なく使いたい」「もっと早くお湯を沸かしたい」「もっと煮込み料理をしたい」という欲求は消えることはありません。
そこで今回のテーマ。
天板の温度があまり上がらないのであれば、
その分「その熱を損失無く、素早く頂いちゃえる鍋」でカバーする。
つまり、上がりにくい天板の熱をうまく利用するために最高な鍋
= 銅鍋を選ぼう!!
まとめとしてはそういうお話でした。
まぁ、この恩恵は別に薪ストーブに限った話ではなく、ガスコンロでも同じですけどね。
ということで次回後編にて早速、銅鍋を使ってみたいと思います。
(銅鍋ってこの色や輝きもうっとりしますよね…。しかしまぁ今回はモロに愛研の大屋さんの好きそうな話題ですね。大屋さんはこのあたり物凄く詳しすぎるので敢えて言及を控えますが。技術的に誤っているところがあったらよろしくお願いします。笑)