前回こんな記事で持ち上げつつ…
さらに
「困るような弱点がない」
なんて言っておきながらこのタイトル。笑
なんなんだよ、というツッコミが聞こえてきそうですが…
今シーズン使い込んで、いい所もたくさんある一方、弱点もいくつか気付きました。
今回はそれを紹介していきたいと思います。
① 天板が二重構造で高温にならない
天板がこんな感じで二層になっており、炉内の熱が直接天板に当たらないようになっています。
(左が通常。右は天板を外しインナートッププレートがむき出しになった所。)
このため、ドブレ640の天板はせいぜい250~300度くらいの天板温度です。
またこの温度に到達するまで30~45分程度と時間も少し掛かります。
天板が二層で最高温度が低いというのは、炉内の保温性を高め燃焼効率を上げる為、ある意味トレードオフ的に犠牲になっている部分でしょうね。
他の機種は400度にもなるものもあり、やはりここは差が有ります。
でも多少時間は掛かりますがお湯は沸きますし、ホットケーキとかも焼けます。
肉も薄い肉なら焼けるし、目玉焼きも焼けます。でも餃子とか、揚げ物とか、麺を茹でるとかは難しいです。
スキレットで目玉焼き&トーストもできる。
天板の活用については今シーズン試行錯誤しまして、最終的には使用する鍋の「熱伝導率」のなるべく良い物を使うべきだという結論に達しております。
熱伝導の良いアルミホイルを敷いて肉を焼くなんて荒業もやりました。
煮込み料理であればこういう活用も。
まぁ、こういうのがお好きな方はご参照くださいませ。
② 給気のコントロールが少し難しい?
というのもドブレ640は1次空気レバー、2次空気レバーと2本のコントロールがあるのですが、最近は一つのレバーでコントロールする機種も多いため、それらと比べるとやや面倒。
車で行ったらマニュアルとオートマみたいな?
これら2本をばっちり使いこなすにはちょっとばかり慣れが必要です。
これに煙突ダンパーまで加わったら調節する箇所が3つですからね、ちょっと面倒に感じる人もいるかもしれません。
まぁ、でもこの辺は慣れですよ。いやほんと。
③ 熱放射の偏りがある
薪ストーブ=パワフル、というイメージも強く
いかにも全方位、ムラなく強力な熱放射をイメージするじゃないですか。
でも違うんですよね。
↓ 実際はこう。
(左側と天板と比べると)前面と右側の熱放出量がずば抜けて多い。
計ってませんけど、体感的には確実にそう。
(放射温度計とかで計れよ、根拠を示せよ、と言われそうですが…。一応400度だか500度まで計れる放射温度計も持ってはいますが面倒なので測っていません。そもそもそういうデータで語るブログではない。笑 すいません。)
(でも持っていても良いとは思うよ。実際そんな使わないけど。)
話を戻すと、これはたぶん炉内の左側はバーミキュライトで断熱されているのに対して、右側はサイドドアの関係でバーミキュライトの配置なしってのが影響してると思います。
・こんな感じで炉内左側と奥がバーミキュライトで囲まれています。
でも本体右側は鋳鉄の板一枚あるだけ。
これはサイドドアです。
左側は断熱されているけど、右側はそのまま熱がでる。
なので、うちのようなこういう設置方法はちょっとベストではない。笑
サイドドアも使いにくいし。
やるならこんな感じにするのが理想だったですね。多分。
左側設置でもいいと思います。
とにかく一番熱放射のある右側を炉壁側にしてしまうのはちょっと勿体無いかもしれません。
炉壁を蓄熱性のある素材にして蓄熱暖房的なところを狙っていくという手もありますが…今のところそれについては懐疑的な立場です。(というかいわゆる蓄熱式暖房と薪ストーブ&炉台炉壁が効果として同じなのかどうかは勉強している最中です。)
④ ガラス窓の右下のみ若干曇りやすい
ドブレ640CBの二次空気・ガラスウォッシュの給気は素晴らしく、かなり大きなガラスであるにも関わらず、ガラスが煤けたり曇ったりすることはありません。
(ちゃんと乾燥した薪を使って、しっかり焚くことは大前提ですよ)
基本的にはそうなのですが、
ただ、焚いていて気づいたのですがガラス窓の右側下面だけ、若干だが煤けやすいようです。
たぶん、これは③熱放射の項で説明したように「右側は断熱材がなく熱の放出(取り方によっては漏出)があること、追加薪をくべる時にサイドドアを開けるのでそこからごく短時間にせよ冷たい空気が入り込み同じガラス面においても温度差が発生している」のではと考えています。
ま、そんなに実用的に困るレベルのもんじゃございません。
こういうのを使う人もいますね。自分は灰と水でやっちゃうけど。
⑤ ここが掃除しにくい
ここです。
よくガラス窓を開けたり、灰受けを開けたりすると灰が落ちるのですが
ここにゴミを受け止めるようになっています。
ハケで掃いたり、掃除機で吸ったりしているのですが…
願わくば一部、フチなしにして頂いてハケとチリトリのみで掃除できるようにして頂きたい。
⑥ 炉内がアーチ状で使える鍋の高さ制限がある
ドブレ640の炉内天井(バッフル板)は奥が低く手前が高いアーチ状の形状をしています。
これによって奥から前方へ絶妙な炎の流れを生み出しています。
例えばこんな側方からの写真だと分かりやすいかもしません。
この少し渦を巻くような気流の流れもこのバッフル形状あってかな、と個人的には感じています。
この発明?はドブレ640以降の機種で採用されており、逆にそれ以前の700SL等ではフラットに近い形状です。
で、これのデメリットとして具体的に何が問題かと言いますと、
鍋によっては上がつっかえてしまう。
これです。
ということで例えばダッチオーブンを炉内に入れる場合、ただでさえ10インチギリギリのところに「高さ」も合わせて検討しないといけないと言う…
まぁ詳しくは過去の記事をご覧ください。
自分は「使う鍋の高さに合わせて高さの違うゴトクを用意する」という結論に達しました。
結果としてうちには今、薪ストーブ用に高さの異なる3種類のゴトクが用意されています。
突き詰めれば、料理によって、鍋によって熾火にどこまで近づけるか変わりますからねぇ。
3種類くらい選択肢があると実にいいです。
安い奴でいいと思う。
■まとめ
こんな感じで今シーズン、ドブレ640CBと付き合ってきて感じた部分を「今回はあえてもう一息な点」を列挙してみました。
今後ドブレ640を導入される方にとって少しでも参考になればと思います。
そうは言っても素晴らしいストーブに変わりはありません。
前回の更新のまとめを読んで頂ければ、もうそれが全てなのですが…
薪ストーブって色んな機種があり、それぞれ得意とするところ、苦手とするところがあります。
でもだからと言って「このストーブが良くて、このストーブはダメだ」なんてことは
全くないわけです。
ある意味、車と一緒ですよ。
オートマの良さもマニュアルの良さも、燃費最高な最新鋭の車も、日々メンテに気を遣う旧車も…
最後は好きになった人の付き合い方、感性それぞれですから。
そんな感じです。
もう、自分で自分の文章を引用するこの恥ずかしさ
と、でもそれをやっちゃう厚かましさ。笑
もう涙で前が見えないね…
そんな感じで次回もよろしくお願いいたします!
今日もいい天気で気持ちがいい。そんなシーズンです。
(でも、、、文字にすれば3000文字程度なのですが、ネタ的には詰め込んだなぁ。分割すれば何回も更新できるのに…こんなセンスの無さでお送りしております当ブログ!我ながら困っちゃうね。)
※ 2018年9月25日追記
ドブレ640CBJがビッグマイナーチェンジし、640WDとなってリリースされました。
炉内が全面バーミキュライト化される等、上記の弱点?と思われた点も大分改善されているようです。