よく薪ストーブ使っていると、
「煙を出して、大気汚染してるんじゃないの?」
とか…
「地球温暖化につながるんじゃないの?」
とか…
そんなネガティブな意見に出会うことが稀にあります。
一方では、薪ストーブ業界において
「薪ストーブは環境にいい」「エコである」という宣伝文句もよく拝見します。
なんなんでしょ?
ということで今回は、
薪ストーブの対環境優位性を語る上でよく取りあげられる概念
「カーボンニュートラル」について書いていきたいと思います。
話のタネにどうぞ♪
■カーボンニュートラルとは
近年の地球温暖化問題やバイオ燃料(バイオマス)の流行により広がった概念です。
ざっくり核心を述べますと、、
「木にはカーボンニュートラルという性質があり、薪として燃やしても
実質的に大気中にCO2を増加させることはありません。」
皆さんご存知の通り、木は光合成します。
光合成によってCO2(二酸化炭素)を取り込み、C(炭素)を固定化することで成長の材料に。
そして分離されたO2(酸素)を大気中に放出します。
そして、最終的に
薪として燃やした際に発生するCO2は、
木が生長する過程で空気中から取り込んだCO2と同じ量と言われているからです。
つまり差し引きゼロ(ニュートラル)というわけです。
図にしてみました。
このサイクルを繰り返すことで、エネルギーを利用してもCO2が増えることはない。
…との考え方なんですね。
また、自然に朽ちた木や間伐材など「使用されない木」は、例え燃やさなくても腐敗してCO2を発生させますが、これらを薪として暖房に用いれば、そのぶん化石燃料の使用を減らすことになり、結果CO2の発生を抑えることにもつながります。
■カーボンニュートラルの問題点
一方で「カーボンニュートラルは嘘である。詭弁である。」という意見もあります。
主に指摘される問題点としては
「木材の加工や運搬に使うエネルギーが計算に入っていない」件。
加工や運搬に大量の石油や石炭を使ってたら意味ないでしょ、ニュートラルにならないでしょって話です。
確かに加工・運搬のエネルギーをゼロにすることは物理的不可能なのでニュートラルにはなりません。
(自宅に生えた木を、ノコギリで伐採して斧で薪割りすればニュートラルかと言うと、そのノコギリはどうやって製造された?斧は?とキリがありませんが…)
そのエネルギーを太陽光発電など再生可能エネルギーで賄えば?という意見もありますが例えば太陽光のパネルを作るのにだって何らかのエネルギー(現実的には化石燃料or原子力発電でしょう)を必要とするわけですからね。
また、百歩譲ってカーボンニュートラルの有効性を認めたとしても、
「木を育てる為には相応の土地が必要。」
であり、エネルギー対土地のバランスを考えた場合、世界の消費エネルギーを木質燃料に置き換えられるものではなく、非現実的という主張もあります。
また、これはカーボンニュートラルというよりもバイオマスの問題ですが、「今後、世界レベルでの食糧難が予想される中、更に世界で穀物の奪い合いになる。実際に穀物市場の高騰につながり始めている」という世界レベルの問題も指摘されています。
■まとめ
どうでしょうか、話のタネに「カーボンニュートラル」お楽しみ頂けたでしょうか。
ちなみに誤解のないよう一言申し上げておきますと、
「管理人はガチな環境保全論者ではありません」
正直言いまして、エコとか環境のために薪ストーブを使っているという意識は希薄というかほぼ無いです。笑
伐採しては捨ててしまう木をゲットできる環境にあり、これはもったいない、使わない手はないという「もったいない精神」は持っておりますが、
基本的に「楽しい」し、あったかいから使っています。薪ストーブが好きなんです。
そして、この「薪ストーブ道」に踏み込んでから、
唯一環境のこと、木の事を考えるようになったとすれば……
木という命を燃やして、暖かさを頂いている。
それをなるべく無駄にせず、有効に使っていきたいという思いは強く持っようになりました。
だからこそ、薪の持つ熱エネルギーが最大限発揮されるよう、薪の乾燥にはこだわっていますし、薪ストーブを焚く技術も高めていきたいと思っているところです。
みなさんはどうお考えになったでしょうか。
何かの参考になれば幸いです。