これ、よく聞かれるのですけど
「薪ストーブを燃やしてる途中で出掛けたくなったらどうするの?」
まぁ、確かに気になりますよね。。。
ということで今回は薪ストーブ小話として「外出時の対応」について書いていきたいと思います。
これから薪ストーブを検討される方の参考になれば。。。
■薪ストーブに停止ボタンはない
先ず、
「薪ストーブには停止ボタンはありません。」
せいぜいあるのは、給気をコントロールするレバーが1本か2本、それと人によってはオプションとして煙突にダンパーがある位です。エアコンや電気ストーブのような停止ボタンはありません。
↑ ドブレ640の一次給気レバー(左)、二次給気レベー(右)
薪ストーブは極めてアナログな道具。
基本原理としては、
薪を燃やす→熱と煙突効果でドラフト(上昇気流)が発生→煙は排煙され、本体に新しい空気を吸い込む→その空気で更に薪が燃える。
の繰り返し。
電源を使用しませんので、電源ボタンも無ければ停止ボタンもありません。
なので「すぐに運転を停める事はできない」が大前提になります。
■急に出かけたくなったらどうするの?
なんせ停止ボタンが無いわけですから、基本的に「自然鎮火を待つ」ことしか出来ません。
が、じゃあその間待ってる必要があるかと言うとそうでもありません。
我が家では、
・ダンパー全開、給気をほとんど開けた状態で放置(またはその状態で出かける)
つまり、ほったらかしで平気で出かけます。
放置、これで問題ありません。
一方、人によっては「給気を絞って外出」という方もいらっしゃるようです。
確かに給気を止めれば燃焼は止まる為、火は早く消えますし、そのように解説した本やサイトも散見されます。
なのでここは管理人の一意見として、お読み頂ければいいのですが「給気を絞るべきか」という問題については一つ持論がありますので、そこも書いておきたいと思います。
給気を全てしめることについて、確かに鎮火は速いでしょうし、給気の絞り加減によっては帰宅した時間に熾き火が残りやすいというメリットもあると思います。
ただし、こんなデメリットもあります。
- 基本的に給気を絞ることは炉内の酸欠を招く行為である
- 炉内が酸欠になると、不完全燃焼を招く=燃え残りの薪から煙・臭いが発生することにつながる
- 外出中、近所に煙・臭いを撒き散らすリスクUP
- (煙突性能が低い場合、温度低下とともにドラフトが落ち、煙の室内への逆流も可能性としては考えられる)
以上のこと特に「不必要な煙・臭いを出してしまうリスク」を考えた場合、正直自分は落ち着いて外出できません。
(画像はイメージです)
なので、外出中でも「煙を出さずしっかり完全燃焼させて終わる」ことを意識し、給気は開けるようにしています。
■やっちゃいけない「消化活動」
まぁ、それでも中には「心配だから消して行きたい」という方もいらっしゃるかと思います。
でも燃焼中の本体に水を掛けることだけはやっちゃダメです。
熱せられた本体(鉄)に水なんてぶっ掛けたら、
- 急激な温度低下による収縮に本体が耐えられず割れる(もしくは割れなくても寿命は確実に短くなる)
- 猛烈な水蒸気が発生し、火傷などの危険がある
なんにもメリットはなく、危険なだけです。
炉内に直接、放水するのも同様です。
強いて言えば、、、、、、、
- 炉内で燃焼中の薪、熾き火を火バサミで丁寧にバケツ等に取り出し、
- 外に持って行って水を掛けて消化
という荒業もあるかと思いますが、
薪ストーブの炉内温度は何百度という世界でますので、例え防火手袋をはめ細心の注意を払ったとしても
「普通に危険。」だと思います。
まぁ、例えクロスなど不燃材料にこだわったとしても基本的に屋内で裸火を扱うのはこのご時世、御法度でしょう。
なので、いわゆる「消火活動」は止めておいた方がいいでしょう。
■火事の心配はないの?
薪ストーブは鉄の箱。その密閉性が燃焼性能のキモですし、近代の薪ストーブたる所です。
つまり、その機密性と堅牢性ゆえ、本体の扉をしっかり閉めておけば火の粉が室内に出る可能性は限りなく低い構造になっています。
なので本体から火の粉が漏れて火事に…という心配はありません。
※ 煙道火災のリスクについてはまた別の話として今回は触れませんが、一応過去の記事でも少しばかり触れています。
一つだけ気をつけておくことは、
「近くに燃えやすい物を置かない」こと。
薪ストーブの放つ輻射熱はかなり強力ですので、引火性の高いものが近くにあると発火する可能性があります。
例えば
- 薪ストーブの天板、もしくは近くに紙、本、新聞紙等の可燃物を置かない
- 薪ストーブの上に油の入った鍋を置かない(流石にこれは…苦笑)
- 同様に鍋などが乗せてある場合、空焚きに注意
- カーテンの裾が当たらないようにする
- ライターやマッチ、着火剤などは安全な場所に置く(うちは着火剤関係は蓋付きの金属性バケツに入れています)
- ストーブの傍に薪のストックを置く場合は低音炭化を考慮し定期的に使って行く
が考えられますが、薪ストーブを使っておられる方であれば当然の内容かと思います。
特にマッチやライター、着火剤関係はどうしても薪ストーブ本体の近くに置いてしまいがちですが、薪を入れる際など扉を開ける機会もあり、どうしても火の気のある要注意な場所です。
いざと言うときの為に安全な容器に入れておくのも方法かと思います。
うちはこんな感じの蓋付きの金属性バケツです。
オーバルもいいかも。
ごちゃごちゃしがちな炉台周りが片付きますし、オシャレですしね。オススメです。
(と言いつつ、うちもそんなに綺麗にできてませんがね…反省)
■まとめ
薪ストーブを燃焼中に出かけたくなったら、、、
- 給気を絞らず、出かけてOK!
- けっして無理やり消そうとしないこと。
- 炉台周りに引火性の高い物は置かず、いつもきれいにしておきましょう。
- もちろん年に一度の煙突掃除もお忘れなく♪
当サイトのまとめとしてはこんな感じです。笑
安全に、楽しく、より良い薪ストーブライフを!!