「料理」というのは、薪ストーブライフの一つの醍醐味です。
自分もちょこちょこその事例を載せてはいますが、
よくよく考えてみると最近は天板活用の料理ばかり。
どうにも片手落ちな気分。
そうです、やはり薪ストーブたるもの
炉内調理をせねば!!!
と、久々に奮い立った某日。
今夜は夕飯に豚肉のローストを作ることにしました。
(以下、全てガヤ流なのでちゃんとしたレシピをお探しの方はクックパッドでも見てください 笑)
登場頂きますのは以前から愛用していますこの方。
「ロッジのサービングポット2qt」さんです。
これドブレ640CBの炉内調理にはピッタリのサイズです。
もし同機種に合うダッチオーブンを探されているのであれば、炉内の大きさ、普段使いの容量等を総合的にみてもオススメできる製品です。
※通常の10インチダッチオーブンはかなり低目のゴトクを用意しないと炉内に入りません。
※その件については過去に記事にしていますので宜しければご参照ください。
■材料
主には豚肉と玉葱とジャガイモと人参があればOKです。
いわゆるカレー3点セットってやつです。
今回はちょっと贅沢にアスパラとパプリカも入れます。
豚肉はブロックが良いですね。
安い奴で十分。今回は肩ロースです。脂身好きな方はバラ肉でどうぞ。
今回の料理は、どんな肉でもホロホロになるので、筋の入り方とか方向とか脂身のバランスとか気にせず買えばヨシ。
■一番最初にすべきこと
手順0:薪ストーブに着火。
当然のことながらこれを最初にしておかないと何ともなりません。笑
「着火→ガンガン燃やして巡航温度に→本体が十分に保温し、薪が熾き火になる」
とにかくここまで結構時間が掛かります。
機種にもよりますが、うちのドブレ640CBでは1時間はみておきたい。
なので一番最初にすべきことは「点火」笑
その他の準備なんてその間にやればいいのです。
ちなみに今回の火加減は「十分な熾き火。でも最高火力ではない」です。
炉内調理の熾き火火力をざっくり書くと、強い順に
- ピザ>>ダッチオーブン調理>パン>焼き魚>焼き芋
という順になります。
つまり、ピザを焼くような「熾き火たっぷり、超高温」では、いかにダッチオーブンに入れておいてもあっという間に真っ黒焦げの炭です。
かと言って焼き芋を焼くような、消えかけの熾き火でもいけない。
ここは感覚、勘ですね!!
(ま、放射温度計を使うというのもアリかもしれませんけど。自分も一応持っていますが最近はあまり使っていません。)
■作り方(ガヤ流。ちょっと丁寧バージョン。)
① 肉を仕込む
包丁で適当にざっくざく切れ目を入れ、塩・胡椒・お好みのハーブ類を振り掛けます。
今回使ったのは、こういうガリガリできる岩塩と、黒胡椒。少し強めに使いましょう。
あとは「とにかくディルが好き」なのでそれを振りました。
ビニール袋に入れ、モミモミしてしばし冷蔵庫へ。
あ、これを忘れずに。
ニンニクを潰して入れときます。
あとこれは本当にお好みですが、自分はこのタイミングで洋酒を入れます。
今回はバーボンを大さじ1くらい振りかけています。無くてもいいです。
② 野菜を仕込む
仕込むと言っても切るだけ。
なるべく大きく、乱切りに。
ジャガイモも新ジャガなら皮付きでそのまま入れればいいですし、玉葱も小玉なら皮むいてそのままで。
③ 肉の表面を焼く
ダッチオーブンを熱したら、少し油をひきます。
そして強火のまま肉の表面を焼き込み。
ジャワーーーー
凄い美味そうなサウンド。
ビンテージのTwinReverbとシングルコイルの組み合わせみたいな。
表面がカリッと焼けたらOK。中は生で大丈夫。
一旦鍋の外に移します。
というか、
当然のようにIH使ってて草。
(自分で言っちゃいますが。)
ま、この工程をドブレ640の天板でやるって方法も無くはありませんが、
ちょっとだけしんどい。笑
天板火力に自信のあるストーブであれば天板の上にやって頂ければよいと思います。
④ 野菜を軽く炒める
で、肉を焼いた鍋でそのままカレー3点セットも炒めます。
炒めると言ってもこれも実に適当なものでして、もちろん火なんて通らなくても全然いい。
全体に油がまわれば良しという感じで。
⑤ 具材をドッキングして蓋を載せる
先ほど炒めた根菜類の上に、別けておいたアスパラとパプリカを乗せます。
特にパプリカはトロッとして甘みも出るので生で食べても加熱しても旨い、大好きな野菜です。彩りも足してくれますし。
そして主役の豚ブロック肉様を乗せます。
正直この存在感だけで食欲出ますな。
蓋を載せます。
⑥ そして炉内へ
薪ストーブの炉内がちょうどよい熾き火になって来たので、先ずは熾き火を左右に避けてゴトクを設置。
肉と野菜達を入れたダッチオーブンを乗せます。
⑦ 放置~~
火力や鍋の容量、具材によっても違いますが今回は20~30分くらいの炉内調理です。
ここからはまた勘の見せ所。
耳を澄ませると、鍋の中で「シュー」という音が聞こえます。
ダッチオーブンの中では、熱せられた鋳物の放つ遠赤外線効果。
そして素材のもつ水分が、密閉された鍋の中で高温のスチームとなり料理を美味しくしてくれます。
そしてこのシューの音が聞こえなくなったら、内部の水分がほぼほぼ飛んだ頃。
ここから少し香ばしさ、全体に「ほっくりとした感じ」が出るよう更に加熱。
やり過ぎると焦げます。
やはり感覚です。笑
※底に網を敷くという工夫もアリです。
⑧ 完成
ということで炉内調理を終えたダッチオーブンを
ご・開・帳!!
いいじゃないの~~~~
下の野菜も、最下層のものが皮一枚焦げましたが全く問題ないレベルです。
⑨ 盛り付け
肉をカットします。
もう、ホロホロ柔らかで正直ここでツマミ食いしたくなりますが我慢我慢。
お野菜も乗せて、
完成で~す。
※盛り付けは一部のみです。野菜はまだ鍋にたくさんあり。
もうこれはですね、
超美味いですよ。
肉も美味いですが、野菜が美味いです。
ジャガイモなんか肉や野菜の旨みがっちり受け止めてますし、玉葱やパプリカなんて凄い口当たりの良さと甘味です。今回はメイクイーンでしたが、男爵だと尚良いです。
バーベキューソースとかハニーマスタードソースなんて掛けても最高です。
写真を忘れましたが、今回はハニーマスタードソースで、マスタードに蜂蜜かメイプルシロップか何かそんな甘い物と醤油を混ぜただけです。お好みでマヨとか酢を入れてもいいですね。
■まとめ
実はこの手の料理ってアウトドアのダッチオーブン料理としては「基本」なんですよね。
野外では通常「キャンプダッチオーブン」という、「蓋に縁があって、上にも炭火が乗せられる」タイプのダッチオーブンを使います。
こういうやつです。
勿論このタイプ自分も持っていますが、この蓋の上に炭火を乗せることで上火&下火のオーブン効果が得られるのですね。野外で、BBQでこれをやるのはとても楽しいですし雰囲気抜群です。
ただ、家では鍋の上に炭を乗せるというのはなかなかできない。
ダッチオーブンごと電気オーブンレンジに入れる、という手もありますが、炉内が相応に大きな機種である必要もありますし、電気だと可能な温度もせいぜい250~300度です。
「十分な火力と炉内の広さ」とそれによる「遠赤外線効果」を活かした料理。
ここが薪ストーブ炉内料理の一つのメリットなのではないかと思います。
今回は、豚肉のローストにしましたが、別に牛肉でも鶏肉でも同じです。
ぶっちゃけ、手順を大きく省いて「ダッチオーブンの中に根菜と塊肉入れて蓋して炉内に入れとくだけ」でも十分旨いです。
皆さまにも是非、お試し頂ければと思います。