11月も間近になり、朝晩の冷え込みが深まってきました。
いよいよ今年も暖房のお世話になろうかな…
今回は薪ストーブとエアコンの「暖かさの違い」を簡単に解説してみたいと思います。
■薪ストーブは輻射熱の暖かさ
薪ストーブの暖かさは「輻射熱」によるものです。
輻射熱とは、熱源から発せられる遠赤外線によって物体そのものを温める熱のこと。
輻射熱って意外に身近にあります。
一番身近なものは「太陽の光」。
つまり薪ストーブの暖かさは「陽だまりの暖かさ」…
理屈は同じです。
※機種によっては対流式の薪ストーブもありますが、今回は輻射式の薪ストーブを想定したお話です。
一方、エアコンは「対流」による暖かさ。
温められた空気が動くことで、その空気の熱が伝わる現象です。
■輻射熱=遠赤外線は気持ち良いの理屈
皮膚には「感覚点」というセンサーが無数に備わっていて、触覚や痛覚、圧覚、温度等を感じ取っています。
・最も表在に分布するのが「痛点=痛覚」(自由神経終末)
痛み=危険を瞬時に察知するのは生物としての本能ですね。
・そしてもう少し深層の真皮に「温点=温度覚」(ルフィニ小体)が存在します。
エアコンの対流熱は、基本的に皮膚の表面を温めます。
そして表面が温まることでさらに深層の温点に伝わっていきます。
(自由神経終末の温点→ルフィニ小体の温点の順)
一方、薪ストーブの放つ輻射熱はその遠赤外線の波長が長いため更に深い温点まで到達しやすいと言われています。
遠赤外線は当たって表面を熱に変える(keyword:赤外線吸収率)のですが、実際には表面だけでなく少し深いところにも同時に作用するので、身体を温めるという点で効率的と言えます。
うちに来たお客など初めて薪ストーブの暖かさに触れた方は一様に
「暖かさが違う」「気持ちいい」と仰います。
おそらくこれが「暖かさの違い」なのではないでしょうか。
対流熱で皮膚の表在のみを温めるエアコンと最も違うところかと思います。
■薪ストーブは輻射熱=遠赤外線の放射量が多い
と言っても、輻射熱=遠赤外線効果をもつ暖房は薪ストーブ以外にもたくさん存在します。
薪ストーブの優位点はどこか。
例えば材質や質量等によっても遠赤外線の出やすさが違います。
オーソドックスな黒色の鋳物製の薪ストーブでは、ケイ素や炭素を多く含んでいるため加熱することで効率よく遠赤外線を放出します。
ブロ友の大屋さん(id:aiken_makiss)のブログを引用させて頂きます。
”遠赤外線は、それを発する物体の温度が高く、表面積が大きいほど、豊富に放出される”
モキストーブの表面温度400度、すごいですね。
しかし、うちの薪ストーブ「ドブレ640」も巡航250度とかで輻射熱を放出します。
さらに本体重量160キロの重量級。一旦温まった鋳物のもつ保温性・持続性。
これは強力ですよ。
■薪ストーブ意外にも輻射熱を味わえる暖房器具
とは言っても、輻射熱を味わえる暖房は薪ストーブの専売特許ではございません。
薪ストーブ以外にも輻射熱の暖かさを味わえる暖房は多くあります。
例えば石油ストーブでも、機種によっては表面がセラミック加工にしてあったり、遠赤外線効果を狙って反射板が工夫されていたりするものがありますね。
そんな中で自分のおススメは、断トツでオイルヒーター。
何が良いってギラッとした感じが一切無いですねこれは。
薪ストーブの暖かさに近いものがあります。
遠赤外線のパネルヒーターも比較的安価で良いですが、これは近づくとギラッとした痛点を刺激する熱を感じます。
オイルヒーターは実に優しいです。
その代わり暖まり方は穏やかなカーブを描きます。
電気代もちょっと掛かります。。。(でも薪代よりは全然安いです。)
■まとめ
薪ストーブとエアコンの暖房としての違いを「温まり方」の観点で解説してみました。
当然ですが、だからと言ってエアコンが劣っている何てことはありません。
当ブログ、エアコンをディスる気まったくございません。
スイッチを入れればすぐに暖かくなる。
(薪ストはヘタな人だと焚きつけ失敗して家中煙だらけになることも)
燃料代も安い。
(機種にもよるけど数世代前の機種と比べたらかなり効率化している。さらに家屋の断熱性も上がっている。)
安全。
メンテナンスも楽。
(煙突掃除しなくていいのはメンテナンスフリーと同義に近い)
エアコンすばらしいじゃないですか。
うちもエアコン大活躍しています。
適材適所、そのタイミングや環境に合った暖房を使い分けて
よりよい豊かな暮らしを作っていけたら良いですね!!
ということで今回はここまで。
読んでくださいましてありがとうございました!