焚き付け時の燃焼を助け、燃焼初期の煙逆流を防ぐ保険として、
また、面倒な着火作業の煩わしさを軽減してくれる便利なアイテムとして、
薪ストーブユーザーにとって大変心強い「着火剤」。
ということで薪ストーブと着火剤、というテーマで前回からお送りしています。
今回は第2回「管理人がオススメする着火剤2選」です。
実はこの一年で種類としては10種類以上を試しているのですが、その中でも実際に使ってみて「これは良いな」と思えた物を厳選して紹介していきたいと思います。
■基本的な選定基準
前回の記事でも紹介しましたが、着火剤の種類・製品は非常に多いです。
着火のしやすさ、火力を優先し灯油系の着火剤を使用する方もおられますし、煙や臭いの発生を重要視し製品を選ぶ方もいらっしゃるでしょう。
今回は薪ストーブの着火という場面に絞り、
- 日常的に使用するため、安価でコストパフォーマンスに優れること
- ストーブの近くに置くことも想定し、安全性が高いこと(揮発性があり、引火性の高すぎる着火剤は×)
- 火力が安定し、十分な持続性があること(最低でも一粒10分は燃焼すること)
この3点を基準に今回ご紹介する製品を絞りこんでみました。
ご参考にして頂けたら幸いです。
■おすすめ着火剤2選
今回ご紹介する着火剤はこの2つ+1。
・ファイヤーアップ
・ウェーバー 点火キューブ
また、参考としてドブレの代理店であるメトスが販売する着火剤「ライトバグ」も併せてご紹介します。
① 「ファイヤーアップ」
パイン材のおが屑に植物油を添加したタイプの着火剤です。
メイドインネーデルランド。着火温度は220度です。
【当ブログ評価】
着火のしやすさ:星3
臭い:星5(かなり弱く、触った後も手の匂いは気にならない)
火力:4
持続力:星4(公称10分ですが実験で11分もちました)
コスト:一粒あたり14~20円 ※2018年10月の実勢価格より。
コストも安く、臭いも少なく、非常に使い勝手のよい着火剤です。
このような幅30ミリの立方体です。
説明書きです。
日本語表記のシールが貼ってありますが、きちんと日本語対応しているのは好感が持てます。
② 「ウェーバー 点火キューブ」
ヨーロッパ産おが屑100%使用にこだわった着火剤。
キャッチコピーは「化学成分を一切使用せず、食材に嫌な臭いや渋みを付けず人体にも影響がありません。」とのこと。
【当ブログ評価】
着火のしやすさ:星3
臭い:星5(ほとんど気にならない)
火力:5
持続力:星5(実験では14分近くもちました)
コスト:一粒あたり12~15円! ※2018年10月の実勢価格より。
購入先によっても多少違いますが、コストパフォーマンスは非常に高い着火剤になります。
形は28ミリ四方の立方体。ファイヤーアップに似ていますがボリューム、重量はこちらの方があります。
実際に燃焼させた画像は下にあります。
③ 参考商品「ライトバグ」
ドブレの代理店メトスが販売する着火剤です。ドブレ製品を買われた方はストーブ店から初回に貰ったりして使われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
キャッチコピーは「自然素材のみでできた環境に優しい着火剤」。
パイン材のおが屑にパラフィンワックスを添加し固めたタイプの着火剤です。メイドインUSA。
【当ブログ評価】
着火のしやすさ:星4(意外に火付きは良いです)
臭い:星5(ほぼ無臭。煙も少ない)
火力:3
持続力:星3(公称7分ですが実験ではギリギリ10分もちました)
コスト:一粒あたり18~44円(購入先によってかなり開きがありました。)
※2018年10月の実勢価格より。
このような半球形の形をしています。
臭いはほぼ無臭。手にも臭いはつきません。手触りもサラッとしています。径は24ミリ。
パッケージ表記。英語をはじめ3ヶ国語で説明されていますが日本語表記はありません。笑
あまりネット上に情報もないので一応ご参考までに。
■更にこの3つを比較してみた
ということで、これだけだと単なるアフィ記事ですので 笑
「実際この3つの中では、どれがいいのか?」
簡単な比較実験をしてみました。
①同時に燃焼させてみよう
ということで選手入場は以下の3名。
A(左) :ウェーバー
B(中央):ファイヤーアップ
C(右) :ライトバグ
会場は薪ストーブ(ドブレ640CB)の炉内です。
これなら風の影響を受けませんからね。
ちなみに単に着火剤が燃えるだけの動画なんて恐らく誰も見ないと思いますので静止画でお伝えしていきます。笑
②点火スタート! 開始0分~
スタートは公正を期すため、このような冶具を使ってなるべく同時着火を目指したいと思います。
ということで着火!!!
同じようにマッチの炎を当て、最初に火が付いたのはライトバグ(C左)。
続いてファイヤーアップ、ウェーバーの順に着火しました。
その差は各10~数秒といったところ。実用的には大きな差はなさそうです。
着火直後に特筆すべきはファイヤーアップ(B中央)の立ち上がりの速さ。
ウェーバー(A左)とライトバグ(C右)がここから燃え上がるぞ、というタイミング
で既に全体に火が回り炎も10cmに迫る高さです。
③本燃焼へ 開始2分~
数分後、3者とも安定して燃えています
炎の高さ、強さももほぼ拮抗しています。
ちなみに順調に燃焼してる動画はこちら。
ウェーバーの力強さが一歩抜きんでてますね。
④トラブル発生 開始5分~
当然と言えば当然ですが、炎の高さを計測する柱が燃えてしまいました。笑
ちなみにこの写真で分かるとおり、ウェーバーが最大炎高さ19cmを記録しています。
ファイヤーアップもそれに一歩及ばないまでもかなり高く炎が上がりました。
ライトバグ(C右)は早くも失速してきているのが分かります。
⑤終盤 8分~
戦いはいよいよ後半。
この炎の強さをどこまで維持できるかが問題となってきますが、やはりこの辺りからABCで明らかに炎の強さに差が出てきました。
もうもうと燃え続けるウェーバー(A左)、そろそろ限界なライトバグ(C右)です。
⑥決着 開始10分~
10分ちょうど ライトバグ選手、鎮火!
ファイヤーアップ選手もかなり限界が近い感じ。しかしここからもうしばらく踏ん張ります。
11分30秒 ファイヤーアップ選手、鎮火!
最後かなり粘りました。
13分52秒 ウェーバー選手、鎮火!!
YOU WIN!!
■結果発表
ということで何人がここまで読んで下さっているか甚だ疑問ですが、結果発表です。笑
*燃焼時間の部
優勝 ウェーバー点火キューブ 記録約14分
2位 ファイヤーアップ 記録約11分
3位 ライトバグ 記録約10分
*着火速さの部
優勝 ライトバグ 記録約10秒
2位 ファイヤーアップ 記録約20秒
3位 ウェーバー 記録約25秒
*最大炎高さの部
優勝 ウェーバー 約20cm
2位 ファイヤーアップ 約15cm
3位 ライトバグ 約14cm
*コストの部
優勝 ウェーバー 約12円~/1粒
2位 ファイヤーアップ
3位 ライトバグ
*総合優勝
総合優勝
ウェーバー 点火キューブ!!
総評。
1粒のサイズも大きく、持続時間が長い。
火力も強く安定している。
それでいて一粒12円~のハイ・コストパフォーマンス。
おススメできます。
■まとめ
ということで「当ブログおすすめ着火剤2選」いかがだったでしょうか。
冒頭にも書きましたが、着火剤の種類・製品は非常に幅広いです。
今回は自分の好みで上記2つの製品を推しましたが、だからと言って今回のような木質燃料系にこだわる必要は全く無く、その人その人にとっての「使い勝手の良い」選択をされることが一番かと思います。
ぜひ、いろいろお試しになり、よりよい薪ストーブライフを送られますことを!
(なんと次回も着火剤ネタが続きます。次回番外編「ウェーバーで〇〇〇!?」お楽しみに。)