タイトルの通り自家製ソーセージです。
以前は時々作っていたのですが、
「久しぶりに完全無添加の素朴なソーセージが食べたいなぁ」
と思い、作ることにしました。
■ソーセージの作り方
要は肉を挽いて、練って腸詰めにすればいいのですが、これがなかなか奥深い。
・材料
- 豚肉1000g ※肩ロースブロック
- 塩20~25g
- 砂糖20~30g
- スパイス(黒胡椒、白胡椒、セージ、ナツメグなどお好みで)小さじ2杯くらい。けっこう使います。
- 氷水200ml
肉の味によってかなり左右されますので、高い肉である必要はありませんが、半額の肉とかドリップが出まくってるのは避けたほうがいいでしょうね。
■ソーセージ作りのコツ
もう最初にコツ言っちゃいますが、エマルジョン化を促すため
とにかく全行程を低温で行うこと。
これに尽きます。
この場合の低温って10度以下とかなんですが、もう
手が凍傷になるんじゃないか
ってくらいの冷たさを感じながら作業しないと10度以下は達成できません。
肉もボウルも冷蔵庫(冷凍庫)でキンキンに冷やしておくこと。
ソーセージがプリっとした食感なのは、現代であればリン酸塩とか結着剤とか乳化剤の作用が大きかったりしますが、元々はタンパク質と水と脂質と塩分が低温で混ざり合って乳化した結果「エマルジョン」という状態になることによって生まれる食感です。
ガヤさんもそこまで詳しいわけではありませんが、この「低温で処理する」を意識するだけでソーセージだけでなく例えばハンバーグなんかもかなり変わります。
売ってるやつみたいにプリっとした肉汁たっぷりのハンバーグができます。
(まぁハンバーグは粗挽きで肉感があるのが好きな方もいますのでお好みですが…)
■作ってみましょう
①ブロック肉を小さく切る
挽肉でも出来ますけど、美味しさを求めるならブロック肉を買ってきて自分で挽いた方が何倍も旨いです。
ブロックのままだとミンサーで挽くのに大変なので予め切っておきます。
硬そうな筋や血があればこの時に除去します。
背脂の大きいところは切り出して冷凍庫に入れておきます。
(半冷凍にすることで切りにくい脂身も切りやすくなりますので、頃合いを見て小さく刻んでおきます。)
生肉を扱うときはこういうのがあると便利ですね。
というか衛生管理上必須ですね。
②ミンサーで挽く
使ってるのは貝印のこういうやつです。多分一番安いやつだと思う。
まぁ欲を言えばもっとゴツい奴が欲しいですがこれでも大きな問題なく使えています。
もりもり挽きます。
挽けました。
③調味料と混ぜ合わせる
正直、調味料は塩分2~2.5%くらいであれば他は適当でOKです。
スパイスも本当にその人の好みというか、きっと本場ドイツでも元々は各家庭で各家庭なりのレシピがあったと思うんですよね。だからうちも適当に好きなものを好きなだけ入れます。笑
で、挽いた肉と調味料を混ぜ合わせるんですが…
上記の通りできるかぎり低温で行います。
もうソーセージ作りのコツはこれしかないです。
ブロック肉も挽く直前までキンキンに冷やしておきますし、使用するステンレスボウルも全て冷蔵庫で冷やしてあります。
手早く、そして力強く練っていくと肉が「プリっと」してきます。
で最初に刻んでおいた背脂をここで混ぜます。
④腸詰にする
塩漬けになった羊腸を水で戻します。30分くらい掛かるので作業開始時に仕掛けておくのがいいでしょうね。
今回はこちらの物を使いました。
で、使うのがこういう道具。
これも入門機もいい所で一番安いランクの物ですが、まぁそれなりに使えます。
これに戻した羊腸をセットして、中にソーセージのタネを詰めて準備完了。
もりもりもり~と詰めていきます。
腸は全長で4mほどありますので、何回も具を詰め替えながら詰めていきます。
そして「ねじって」いきます。
こんな感じ。
どうです?
一気にソーセージっぽくなったでしょ?
⑤乾燥→スモーク
表面が濡れているとスモークが乗りにくく、パリッとした食感も生まれないので乾かします。真冬でしたら外で風に晒しますが、昨夜は暖かったのでドライヤーの風をかけて
急速乾燥させました。
一斗缶スモーカーもあるのですが、今回は手持ちで一番大きなダッチオーブンをスモーカーに使います。チップは桜です。
煙が出てきたらソーセージを入れてスモーク。
スモークの加減はお好みで。
うちはまだ子どもが1歳ということもあり、今回は軽く香りが乗る程度にスモークしました。(元々はがっちりハードスモークが好きなんですけど)
軽すぎてあまり画的にはスモークかけた感じがしませんが、香りは十分乗っています。
⑥ボイル
熱処理します。
たくさんお湯を沸かして70~75度くらいで30分キープ。
温度が高いとボソボソで味の抜けたソーセージになりますので最後ここがまた集中力のいるところですね。
これで完成!!
茹で上がったら、そのまま食べても良いですし
後で食べるなら冷水でしめて保管しておけばいいです。
■試食
とりあえず茹でたてをパクリ。
作りたて、ボイルしたてを食べられるのは作り手の特権ですね。
普段あまり意識していませんが、ソーセージって作る段階でボイル→食べる直前にボイルで2度茹でてるんですよね。
加工食肉ってそういうものなんですが、なんか得した気分になります。
ボイルしたてのソーセージをフライパンでカリっと焼いてカリーブルストに。
カリーブルスト。
なんか凄いたいそうな響きに感じますがなんてことはない。
焼いたソーセージにケチャップとカレー粉を乗せただけです。
でもこれが美味いんだな。
大好きな食べ方です。
■まとめ
自家製ソーセージってやはり結構な手間暇が掛かります。
でも、完全に無添加のソーセージってなかなか食べられないですし、作りたての味もなかなか良い体験です。
庭にバジルの葉が生い茂る頃であればそれを刻んで混ぜたり、大蒜やショウガを刻んで入れるのも面白いです。
スパイスの代わりに七味とか柚子胡椒入れるのも笑えます。
ちょっと難易度は上がりますが素材を変えて鶏むね肉で作ってもいい。
お年寄り向けに豆腐をつなぎでいれたら大変軟らかい仕上がりになったこともあります。
ということで、なかなか発展性があり面白いものですソーセージ。
物好きな方、どうぞ。笑
(これだけ安い道具ばかりですが材料費コストを考えるとそれなりに掛かりますよ。羊腸とかもけっこうしますしねぇ。実際こういうのは買った方が安く味も安定していて失敗がないのですが…でもそんな事を考えてたら生きていけねっすよ!俺らは!なんでも自分でやってみたい!そんな小学生の頃の気持ちをこじらせ続けたおっさんですが何か!?次回も反省せず!後悔なく!チャオ)