薪ストーブで冬眠したい

薪ストーブのある暮らしについて情報発信します。ときどきる育児ネタ。静岡県中部。ドブレ640CB

薪ストーブのブームは終わったのか?

以前は「煙突」って珍しいものだったと思うんです。

しかし自分の意識がそこに向くようになったからか、単純に数が増えたのか、最近は薪ストーブの存在を思わせる煙突がよく見られるようになりました。

 

車を走らせれば煙突、煙突、煙突…

 

少しマニアックな目線だと、「あぁこれは丸トップ、角トップ。ここはフラッシング施工、チムニー施工…」と本当にわくわくする光景です。

 

ま、うちもそうなのですが。笑

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そんなわけで郊外の新築物件だったり、古民家リフォーム物件だったり…今やあらゆる屋根に見る「煙突」。

 

薪ストーブが静かなブームと言われています。

 

しかし実のところ「ブーム」と言われ始めたのはもう数年前。

現在はどうなのでしょうか?


■薪ストーブ設置件数は減少傾向である

日本暖炉薪ストーブ協会というところが「公式販売台数表」という統計資料を出しています。

統計資料 | 日本暖炉ストーブ協会

 

その最新版「暖炉・薪ストーブ販売台数推移表」を一目見てびっくりしました。

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実は薪ストーブの設置件数は減少している。

 

正確には平成25年の10900台までほぼ右肩上がりで台数が伸びたものの、同年ををピークに減少に転じ、以後4年は減少を続けています。

最新平成29年の台数8200台は平成22年度と同程度の水準です。

 

しかも申告社数は、この3年間で過去最多を更新し続けているのにも関わらず、です。

それでも全ての薪ストーブ業者が暖炉薪ストーブ協会に所属しているわけではありませんので、厳密なところは不明ですが最大手のファイヤーサイド(バーモントキャスティング等)を筆頭に、京阪エンジニアリング(ネスターマーチン等)、メトス(ドブレ等)、トコナメエプコス(ヨツール等)など恐らく合わせれば全体の大多数を占めるであろう主要メーカーならびに代理店が参加しており、業界全体の傾向を掴む意味では信頼性の高いデータと言えるでしょう。


さぁ、どうなる薪ストーブ業界。


■今後はどうなる、あくまで個人的予想

①住宅需要の問題

薪ストーブの場合、比較的金額規模の大きい住宅設備と言う性質を考えると新築&中古住宅購入や大規模リフォームの際、同時に施工することが多いと思われます。

そのため、全体的な住宅需要が伸びればそれに伴って薪ストーブ市場規模も拡大する可能性はあるでしょう。

 

一つ面白いのは、この数年の間に薪ストーブ販売台数のピークがある一方、世間では「消費増税前&各種補助金による住宅駆け込み需要」があったと言われている点です。

 

つまり、特に薪ストーブ販売台数の多かった平成24~26年度については、(住宅駆け込み需要に連動し)、潜在的な需要を先食いしただけなのでは。という仮説です。

 

そう考えると、この数年が特異なだけで逆に現在の販売台数こそが本来の需要に見合った水準であるとも考えることができます。

 

ただ、その理屈を裏付ける為には統計資料との対照が必要です。 

www.mlit.go.jp

国が住宅関連の統計資料として新築着工件数や中古住宅購入件数、住宅ローン新規貸出額の推移などを毎年度リリースしていますので、その推移とこの数年間の「薪ストーブブーム」に相関がみられるかどうかを考える必要があるのですが、そこをパッと見る限りどうもはっきりしない。

 

統計資料になると時期、地域、年代、年収、家族構成など実に様々な属性が入り込むため、ぼやけるのかもしれません。もっと見るべき統計を選び、データを絞り込んで、細かく見ていけばもっと実のある考察が得られるのかもしれませんが、そんな時間は無い。笑

 

まさかの、投げっぱなし。申し訳ございません。笑

 

興味のある方は研究してみてください。 

 

②その他の流行との関係は薪ストーブ需要に影響するか

薪ストーブはもともと実用的な暖房器具ですが、現代においてはその佇まいや炎の鑑賞など非常に趣味性が高い存在になっているとも言えるでしょう。つまり嗜好品です。

そのため、薪ストーブ以外の流行を読むことも多少は参考になるかと思います。

 

具体的には、

ナチュラル志向(エコ志向)

・アウトドア志向

・おしゃれ志向

そんなキーワードや層と親和性が高いと考えられます。

キャンプをはじめアウトドアも再びブームになっていますし、市場規模も拡大傾向にあると言われていますので、非常に曖昧なところではありますが地合いとしては悪くないと思われます。

 

■そもそもブームは必要か?

薪ストーブは、暖かく気持ちいい、炎もきれいですし、インテリアとしても実におしゃれです。

ただ、一方でこんな現実も。

  • 薪の確保は大変(毎年すごい量の薪を燃やします)
  • 住宅地では煙に気を使う(クレームになることもある)
  • 煙突や本体のメンテナンスも必要(煙道火災を防ぐために必須)
  • エアコンのように簡単にオンオフできる暖房ではない

など、非常に手のかかる道具です。

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敢えてハードル高めに書きましたが、一時の気楽な気持ちで導入するとあまり良い結果にならない気がします。

 

モデルハウスで見て雰囲気に惹かれるのは凄く理解できます。自分もそうでした。

 

ただ、実際に導入するとなると、きちんと下調べし継続的な手間も楽しみながら末永くお付き合いできる方でないと難しい。結局は置物になってしまう。

 

なので、そもそも無理に市場拡大すべき性格の物ではない。

ブームは必要ないと思います。

 

じっくりじっくり、その素晴らしさが世に伝わり、薪ストーブって大変だけど良いよねという雰囲気が醸成され、その上でユーザーが増えれば良いと思います。

 

そのためには、何が必要か。

 

自分はしがない一ユーザーですが、そんなユーザー1人1人がきちんと薪ストーブを理解し、道具として愛し、生活を豊かにしていく。

これが大切なのではないでしょうか。

 

そして情報発信。

特に自分は、弱小ではありますが薪ストーブブログなんてのもこのようにやらせて頂いておりますので、自分なりの薪ストーブとの関わり方、実体験を素直に発信させていただくことで、少しでも上記のような薪ストーブ界隈にとって良い雰囲気の醸成に寄与できればと考えているところです。

(近隣の方であればうちに来て頂いて体験していただいてもいいです。)

 

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なんか最後、よくわからない所信表明みたいになってしまいましたが。笑

 

そんなこんなで、今後も当ブログよろしくお願いできれば幸いです。