ということで前回、薪ストーブで作る「甘い」焼き芋を紹介しました。
火加減さえ間違えなければ、ホイルに包み炉内に放置するだけでしっかり糖化した甘い焼き芋になります。
ただ、まだまだ向上の余地はあるはず!!
そんな思いで目指すは「焼いた感のある焼き芋」。
皮は少し焦げた部分があり香ばしく、
中は熱々で、十分に糖化しながらもホクホク感がある。
そんな究極の焼き芋を求めて、試行錯誤の記録です。
(というか今回は失敗談なので。その辺よろしく。 苦笑)
■石焼き芋の仕組み
美味しい焼き芋を求めるのに、やはりこの名前は避けて通れないでしょう。
「石焼き芋」
というか、もはや焼き芋の代名詞的な存在です。
自分が理想とする焼き芋(上記)もまさに石焼き芋屋さんにて提供されているイメージ。
となれば、石焼き芋のエッセンスを取り入れることが理想到達への近道。
その実態についてはWikipedia「石焼き芋」の項で実に丁寧に解説されています。
以下、重要なところを引用。
密閉容器の底に那智黒石などの小石を引き、その上にサツマイモを乗せ容器の下から過熱すると小石から遠赤外線が放射される。放射された遠赤外線は容器内で反射しサツマイモの表皮1ミリ付近で吸収され、デンプンなどの分子が振動し、その摩擦熱が熱源となる。遠赤外線加熱での調理によって、サツマイモの表皮付近の温度は250℃に達し、水分は急速に蒸発する。しかし、内部の温度は65-75℃に維持され水分を損なうこと無くゆっくりと加熱される。
サツマイモ内部の温度が60℃に達すると、デンプンが水分を吸収し糊化する。サツマイモに含まれるβアミラーゼ(デンプン分解酵素)が、糊化したデンプンを加水分解し麦芽糖に変える。そのため、通常の焼き方よりも甘く仕上がる。
これが石焼き芋の原理ですよ皆さん!!
せっかくなので分かりやすく画像by Excelにしてみました。
簡単に言うとこういうことです。
・やはりヒントは遠赤外線効果か?
先ほどの石焼き芋の仕組みを読むと、「遠赤外線効果」が重要な役割を果たしていることが分かります。
当ブログでも薪ストーブ料理の大きな要素として何回も言及している「遠赤外線効果」。
これを活用しないで何故、薪ストーブブログで取り上げる意味があろうか。
なんでそんな事を今更書くかと言いますと、
前回「アルミホイルで包んで」焼いた焼き芋を紹介したじゃないですか。
確かにアルミホイルで包むことで水分を保持し、ヒートシールドになることで温度管理はしやすく、より簡単に糖化を促せます。
ただ、ここが重要なのですが、アルミホイルは遠赤外線を反射する効果があるのです。
なのでこれで包んでしまうと全く遠赤外線効果の意味がないわけです。
せっかく薪ストーブの炉内では、薪が燃え、豊富な遠赤外線放射があるというのに敢えてその利点を活用しない愚。
なので、わたくしとしては石焼き芋の原理を学んだ上で、やはりこの遠赤外線効果を十分に活用し、理想の焼き芋を焼きたい。
こう思うわけであります。
これが最終的に盛大な遠回りだったとしても、進まなければならない道がここにあり、
挑まんとする気持ちに嘘を付いていく訳にはいきません。
エンジョイ!!
■薪ストーブで石焼き芋を焼いてみたい
石焼き芋のポイントである「石から放出される遠赤外線を十二分に使い芋を焼く」これをなんとか再現したいのです。
ということで、ダッチオーブンの中に石を敷き、炉内で焼いてみようと考えました。
「もう石焼き芋マシーン買えば?」とか言います??
お馬鹿ちんが!!!!!
そんなの全然面白くないじゃないですか。
不便を楽しめ。
苦労していろいろやってみるのがいいんですよ。。。。。。
確かに専用の鍋とか沢山出ててそれはそれで気にはなるけど、、、
まだ君達の出番じゃないの!!
これとか及源だし、凄く気にはなるけどさーー。
■薪ストーブで石焼き芋を焼いてみる
ということで「手持ちの武器」で先ずは勝負。
何事も面白き事は「創意工夫」からですヨ!
①石をゲットしよう
ということで何はともあれ石が必要です。
降り立ったは近くの河川敷。
ハッハー!石拾い放題です。
小さめ、形も丸くて揃ったものをチョイス。
すぐに袋がいっぱいになりました。重い。
ちなみに石焼き芋用の石というものはネットでも購入できます。
というかキャプテンスタッグが製品ラインアップに載せているんですね…
まぁ、下手な石は内部の気泡や残留水分によって熱したとき破裂の恐れもありますし基本的にはこういうのを買ったほうがいいような気もしますね。(売っている石が100%安全という訳ではありません)
②石を洗って乾燥
きれいな物を中心に拾ってきましたが、一応水でガシガシ洗い土を落とします。
そして天日で数日乾燥。残留水分のないようしっかり乾燥させましょう。
写真は忘れました。笑
衛生面などいろいろ気になる神経質な方は煮沸消毒でも何でも気の済むまでどうぞ。
③ダッチオーブンの中に石と芋を並べる
今回は10インチのダッチオーブンを使用。
こんな感じに石を並べますが、こうやってみると大きな石ばかり拾ってきたものですなぁ。
そしたらサツマイモを乗せる。
蓋をして準備完了。
④薪ストーブの炉内に投入
いい感じの炉内になったらゴトクをセッティング。
今回はダッチオーブンと内部の石まで熱を伝えないといけませんので、いつも焼き芋を焼く温度よりは少し強めの火力です。
炉内にダッチオーブンを入れます。
このまま1~2時間…。
と思ったら、うっかり5時間も放置してしまいました。汗
⑤焼けました?
正直、開けるのが怖い。
パカーン。
おぉ、黒焦げにはなって、、、は、ない。笑
そして焼き芋の香ばしい匂い!!!!!
ホイル包み焼きでは得ることのできなかった匂いで、期待がカムバック。
⑥焼き加減はどうか
割ってみるとこんな感じ。
あれれれ?
食べてみます。
あれれれれ?
以下、講評です。
・皮のパリッとした感じは出る
・香りも申し分ない
・ごく僅かに皮目のキャラメリゼあり
・中心が糖化しきっていない(というか全体的に不十分)
・水分が飛びすぎていてボソボソしている(糊化が十分行われていない)
(もう焼き時間のこと忘れてます。)
■考察
薪ストーブ焼き芋に「石焼き芋」の要素を加えることで、一気に本格的焼き芋にブラッシュアップできるのでは?というか原理的には同じじゃん??と考えた訳ですがちょっと失敗。
思ったようにはいきませんでした。
大きな口を叩き申し訳ありませんでした。
以下、少し考察と次回へむけて修正点を考えてみます。
・火力が強かったか、また長時間加熱してしまったことで水分が飛びすぎた?
→ 火力&焼き時間の調整を検討。ホイル等の活用を検討。
・炉内の保温性に期待したが、炉内でなくても天板でもいいんじゃね?
→ 天板でも試してみましょう。
・糖化の前段階である糊化が十分に行われなかった?
→ これも温度管理の問題か?要検討。
・そもそも蓋をするべきか、開けるべきか
→ 遠赤外線を乱反射させるために蓋をしてみたが、これも試す価値あり。
ちなみに、炉内に直接石を置いて焼くことも考えましたが、、、、やめました。
なぜなら石が熱で破裂したら怖いからです!!!
耐熱ガラス割れちゃったら交換費用高いですからね…
今後の方針。
なんかコンセプトは良いような気がしたが、いい結果にならず。
もう一度試してダメならまた違う手を考えてみたいと思います。
次回「続・薪ストーブで石焼き芋」に続きます。
(え、続くの?実はこの一週間であれこれ試してるんですけど、記事化するのもためらわれるような…ちょっと泥沼感ある感じでして。。。年末で超忙しいですし、とりあえず慰めのクゥリッーク頂けるとうれしいです。)