薪ストーブを快適に使用するためには「着火」がとても大事です。
ここで失敗して煙の逆流なんて絶対にしたくない自分は「保険」も兼ねて着火材を使っています。
いつも使っているのはコイツ。
【ウェーバー点火キューブ】
変な素材が入っていないし、火力や持続時間も優秀です。
コストも1個あたりで見ればさほど高くない。おすすめです。
過去には記事で検証(というには適当だが)もしました。
ということでいつものように焚き付けしようとしたら
「あれ??もう無い?」
なんと、このシーズン末期に着火材を切らしてしまいました。
『うーん、どうしよう。
4月に入り、もう焚くこともあまりないだろうから、慌ててて補充するという程でもないな。。。
そうだ、木片や松ぼっくりでも拾ってくるか…
そう言えば、A県のOYさんなんかは牛乳パックで焚き付けてたな…あれやってみるか?』
…という成り行きです。
前書きが長いことに定評の有る当ブログです。
■着火材の目的・代用品
乱暴に言いますと、要は「着火性の良いもの全般」がそれに当てはまります。
薪ストーブや焚き火を燃やすにしても、いきなり大きな薪がボーボー燃えるなんてことは有り得ません。
細い焚き付け材→小割り→中割り→大割りと段々と炎を大きくしていくことが必要です。
(その方が失敗が少なく確実に炎が回るし、燃焼効率も良い)
その一番最初の段階、燃焼初期の不安定な炎をより安定させ、次の燃焼材(薪)への橋渡しを行うのが着火材の目的と言えます。
- 着火しやすく
- 炎が大きく
- (出来れば多少の持続性が有る)
これを満たしていれば、別に工業製品としての着火材に頼る必要性はそこまでありません。
代表的なものとして例えば以下のものがよく使われていますね。
- 松ぼっくり (油分が多く、傘が開いていると表面積が広く空気との接点が多いためよく燃える)
- フェザースティック(最近キャンプの焚き火で最近流行り。簡単に言うと細薪をナイフで毛羽立たせたもの。)
- チェンソーくず(薪作りで必ず出るチェンソーの削りクズ。チェンソーオイルが付着してるのでよく燃える)
- 牛乳パック(???)
ということでよく皆さん使われるみたいですが
自分は避けていた「牛乳パックを着火材」を考えてみたいと思います。
■牛乳パックの正体やいかに(安全なのか?)
そもそも牛乳パックを使うことに「ちょっとした抵抗感」があった理由って
「これ表面は樹脂なんじゃないの?プラスチックとかビニールを燃やすのってダイオキシンとか大気汚染につながるような…」という気持ちでした。
薪ストーブユーザーとしては、ご近所様や地域に迷惑にならないように出来るだけクリーンに使用していきたい。
こういう気持ちを持っていますので、真偽はさておき敬遠していたのですね。
・なんと牛乳パックは燃やしても安全!!
ということで今回良い機会なので調べてみます。
そもそも牛乳パックとは何なのか?
「全国牛乳容器環境協議会」というものがヒットしました。
ニッチだなぁ…
画像をお借りします。つまり構造はこう。
(画像出典:全国牛乳容器環境協議会)
引用紙の両面にラミネートしてあるポリエチレンは水素と炭素だけからなるもので、厚生省の省令で使用が認められた素材です。(全国牛乳容器環境協議会)
ほうほう、表面のコーティング材はポリエチレエンだそうです。
「水素と炭素だけからなる」ということで、にわかに「じゃあ燃やしても問題なさそう?」な気分が湧き上がります。
さらにリサーチします。(と言ってもググるだけです。)
日本の牛乳界の大ボス、雪印メグミルクさんのページではこんな紹介が。
-燃やしても有害物質が出ない-牛乳パックは紙とポリエチレンの層でできています。
おおお!!!
はい、わたくしが無知・情弱でございました。ここにお詫び申し上げます…。
牛乳パックは燃やしても大丈夫です!!!
ちなみに一点だけ注意を。
目印はこの「紙パック」マークが付いているやつです。
左の紙製容器包装はアルミなど使われていることがあるためNGだそうです。
■牛乳パック着火材の実力は予想以上だった
前置きが長くなりましたが安全と分かれば活用しない手はありません。
善は急げ。早速使ってみましょう。
① 乾燥した牛乳パックを細かく切って、塊にする。
使うのは鋏だけです。
はい、これで完成。
手が汚れることもありません。
(チェンソーの削りクズとかだと手が凄い汚れます…)
② 焚き付け材と一緒に乗せる。
いつもの着火材と同じような感じで入れてみました。
一番下に太い薪。その上に中サイズ、小サイズ。
上に焚き付け材、牛乳パック着火材です。
③ マッチ1本で着火OK
なんとマッチ1本で楽々着火しました。
かなり優秀な着火性です。
どんどん炎が上がっていきます。
ここまで1分。正直この瞬発力はすごい。市販品に全くひけをとらない。
焚き付け材も巻き込んで更に炎が強くなります。
ここまでで約3分です。
下の薪(中割)にも火がつき、ぐいぐい炎が勢いを増していきます。
ここまで7分。かなり優秀。
着火性・火力・持続力ともに問題なしです。
いつもの着火材と比較しても実用上の問題は感じられません。
そんなことを書いている間に炉内は完全に巡航温度。
優雅なコーヒータイムです。
スムーズな立ち上がりに感謝。
■まとめ「牛パック着火材は安全・性能も良し」
最初は「環境ガー」と偏見をもっていたわたくしですが、すいません悔い改めました。
・牛乳パックのコーティングはポリエチレンで燃やしても有害物質は出ない
・着火性・火力・持続力ともに問題なし!!
結論としては「もうこれでいいじゃん。」笑
変な先入観を持っていて牛乳パックさん本当にごめんなさい。
まぁ、実際そこまで牛乳飲むわけじゃないからやっぱり着火材は買いますけど、
ピンチヒッターとしては十分アリです。
または一年分の牛乳パックを冬の為に溜め続けるのも面白いかもしれない。笑
あとキャンプ時の焚き火の着火にも良いと思います。
パックを開いておけば収納はほぼゼロに近いですし、なんならまな板代わりに使ってから少し乾かして着火材として使うのも一石二鳥感があってGoodです。
工作の資材になったり、着火材にもなったり…ニクイやつです牛乳パック。
というわけで、皆さんもぜひ活用してみてください♪
ご参考になれば幸いです。
※着火材については過去にもいろいろ書いていますので興味ある方はご参照ください。